魔法ノ花Ⅰ【完】

★1年Aクラスの1学期 /一夜の家出




Side.Y





わたくしの両親はものごころがついた頃には亡くなっていました。



自然災害の事故だ、と周りの大人たちからは教えられています。



もちろん、それを疑ってなどいません。



それにコンプレックスを感じるとか、そんなこともありません。








さて、話を戻しますが、わたくしは両親がいないので、叔父と叔母に育てられてきました。



言うまでもなく、その家は水の国の貴族です。


おじ様とおば様のおかげで、わたくしはなに不自由なくこれまで生きてこられました。



義理という言葉によるいざこざもなく。


虐待もなく。



なにもなく、これまで。




特に大切にもされませんでしたが。



でも、それについて不満を持ったことはありません。

こちらはおいていただいている身。


それだけでも、感謝すべきでしたから。




わたくしは今年で18になりますが、おば様たちはなんの取り柄もないわたくしを15年もおいてくださいました。



その15年間を言葉で表すなら、よく言えば放任、悪く言えば見放される、といったところでしょうか。



どちらも言葉のアヤでしかありませんが。




とにかく、そんな感じですね。


わたくしの生い立ちで前置きとして語っておかなければならないのは、これくらいです。



あとは、わたくしは物静かで内気であった、といったところでしょうか。





…少々前置きが長くなりました。


そろそろ本題に入らせていただきたいと思います。



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