魔法ノ花Ⅱ【完】







「おーい、ルイくーん」





その月がのぞく窓のそばに立ったルイ。




その顔はいつにも増して無表情だった。



なんにも、うつしてないみたいに。



その横顔が、本当に絵になるようで。




何を考えてるのか、さっぱりだ。






…………いや。



なんとなく、分かるかも。




「ルーイー」


………反応なしか。



本当にルイ、三日月をガン見してる。



なんでだよ。なんであたしより月に興味持ってんの。ここにひとり残ってまで。




そんなに興味あるなら毎晩観察すれば。理科ノートに記録すれば。



……まさかあれを、あの月をバナナだと思ってないでしょうね。



そんで丸飲みしたいとか思ってないでしょうね。




うわあ、思ってそう。すごく思ってそうなんですけど。否定できないのがあたしゃつらいよ。






確かに、おいしそうだもんね。



あんなにきれいなバナナ、見たことないもんね。






まあ、いいけど。




月なんて、今はどうでもいいんだ。







――――――さて。あんたはいつまでお月様を見ているつもりかね。




もうそろそろ、前置きは終わっていいかな。





「………瑠依」




そう呼ぶと。やっとルイの目はしっかりとあたしをとらえた。







それが合図。








――――――さあ。始まる。



さっきまでの試合が1対6――――あたし対美咲さん、雅也、湊、千早、水樹くん、ユーリのハンデ戦なら。






次はあたし対ルイ―――――1対1の、ラスボス戦に決定だ。






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