魔法ノ花Ⅱ【完】

★1年Aクラスの2学期 /みかりんの正体









―――その夜。





すでに上弦の月か三日月かどっちつかずの月は沈み、電灯だけが街を照らしていた。




あたしは、その街の道を縫うように公園に急いだ。




はあ。



足を止めて、ちょっと息切れ。





足を、止めて。





そのつまさきの20センチ先には公園の入り口のポールがにょきっと立っている。





公園についた。





公園にあるのはいつもと変わらず、すべり台、鉄棒、なぜあるのか分からないぞうの置物。なんでぞうの置物があるのかはこの公園の七不思議だ。ぞうにゆかりのある土地なのだろうか。




そして―――ブランコ。





あとは砂場くらいしかない質素な公園だ。




質素なその公園。






そこに音は何もない。





今夜は暴走族の騒音も、まわりの家から漏れる話し声も聞こえてこなかった。





静かな夜だった。







そして―――あたしは足を、中に踏み入れた。





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