魔法ノ花Ⅱ【完】

★1年Aクラスの夏休み /月蝕















「―――――今日の月はきれいだね」




誰もいない屋上で呟く。


浮浪者ではない。独り言の多い変態でもない。




ただ、本当に今日の満月はきれいだった。



空はここから近い。




――――満月。



入学式の日も、満月だった。


入学式の日から、4回目。


たぶん、今日見る月が、一番きれいだ。






「あと何秒かな」






ポケットに忍ばせておいた時計を見る。



今は、長い針がⅤとⅥの間を指している。



秒針がやけに大きく聞こえる。






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