魔法ノ花Ⅱ【完】





もし、セーラが"星羅"ではなかったら。





俺と出会っていなかったなら、






今頃セーラは生きてないだろう。




セーラの自然の寿命では、もう終わりを迎えているはずだった。





人間として。



とうの昔に終えているはずだった。





セーラの両親は魔法使いではない。




その先祖にも魔法使いはいない。





だからセーラだって本当は、魔法使いの人生を歩むべきではなかったのだ。





セーラは、本当は、たった100年しか寿命がない、魔法を使うことのない、魔法の存在も知るはずのない、普通の人間だったから。





こんな、自分が本当にしたいことから自分の感情を押し殺すことをしなくてもよかった。








――――――あの人に逆らうことさえできれば。





無理だと分かっていても、思う。






それが、俺の願い。




セーラにも言っていない望みだった。






………今はそんなことは確実に無理だが。





でもいい。


いつか必ず。






………とりあえず今はセーラとの約束を果たさなければ。







月食は、もうすぐだ。







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