魔法ノ花Ⅱ【完】






いなくなった今も、その呼称を後生大事にして。



待ってる。




待ちきれなくて追いかけてる。






いろんな世界を飛び回って、何不自由なく生活して。



生活に必要な資金?



魔法で札束をつくる。




それは、カミサマの特権乱用だってこともわかってるの。



それはこどものワガママだってこともわかってるの。





私は、何年生きても大人にはなれない。




物理的にも、精神的にも。




だから、大人みたいに、諦めるなんて言葉、知らない。



大人みたいに、公私混同を回避することなんてできない。



「やっぱり私、子ども。子どもだから、自分を自分の思いと反対のほうに統制することなんてできない」


「…………神様だぞ、おまえは。しかも光の神様。地球一個ぶんおまえの手にある、一番上の地位だ。ひとりの人間に執心するなんて信じられない」


「じゃあ、信じなくていい。私を光の神様から引きずり下ろしてもいい」


「…………」


「――――さすがの太陽でも、ワールドの大統領や首相に個々の権利がないと思ってるわけないわよね」



「……何、言ってんだよ」


太陽が、本気で困った顔をした。眉尻が下がってる。



「おまえ、自分が何言ったか…わかってるのか」



分かってるよ。


分かってるってば。分かってるんだから。









光または闇の神に、人間の権利はない。









ね、そういうことでしょう。



「おまえ、あの掟にどれだけ苦しめられた?また犯せば、さらに苦しむことになるんだ」



「…………」




人間の権利がない。






つまり、
私には友達に執心する権利がない。





そういうこと。


神様は常に、みんなに平等でなければいけないから。



破ったら、制裁がくだる。




「……分かってる」


「だったら」




でも私、現状に納得してないから。
この世界に納得してないから。
こんな世界、私が変えるから。





私が昔からそう思ってることを、太陽は知ってる。


だから、敢えて口には出さなかった。


「………ルナ」





「私にだって、友達ひとり追いかける権利はある」




私はそれだけ言い放って、その場を去った。






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