魔法ノ花Ⅴ【完】







……まあでも、ここにたどり着いたのは、ルイ、だけか。




いや、


待て待て感覚が狂ってる。




まずもってたどり着けること自体がおかしいだろ。




どうしてルイは、たどり着けたんだ?



あの魔法は。





あの魔法は本当に、雛たちだって、簡単には抜け出せねえ。



アイツらだって軽く1時間はかかる。下手したら一日かかってもおかしくねえ。





それを……コイツは……?



『実際お兄ちゃんにどれだけの力があるのかは、私にも分からない』




瑠菜の言葉を思い出す。


瑠菜。




もしかすると、コイツは、本当に。



本当に……?





それは、本当に信じていいのか?



本当に、喜んでいいのか?





―――――本当に、星羅を助けてくれると、信じていいのか?





「ソイツを放せ、レイ。放さねえなら、おまえを攻撃する」


「……お兄ちゃんに俺が倒せんのか?」


「倒せる」





……まさか即答されるとは思わなかったけど。


でもさすがに、お兄ちゃんのレベルについては、見直してやらざるを得ないだろう。




……セーラが寝ててよかった。



寝てなかったら、この状況を見ていたら、セーラは勘づくかもしれない。




"レイ"なんて、嫌ってる相手を呼ぶにしては随分親しげに感じるだろうからな。




そりゃね。




一応兄弟みたいなもんだからね、俺ら。





なんて、星羅の前ではもちろん、ルイの前でも言えねえけど。



ルイ、怒るから。





仲良くもねえしね。




それに、1対1にならねえと、お兄ちゃんはそう呼んでくれねえし。





間違っても湊の前では呼ばねえよ、コイツは。





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