魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの1学期 /霧時雨と朧月






「……え?」



ルイの鶴の一声に、あたりが静まった。


みんなが動きを止める。



風が吹く。



春先の、生暖かい風が。




「……ルイ、何て言った?」


「この学校のどこかに、スパイMがいる」


「………」


「………」


「………」


「………」




誰も口を開かない。



スパイ、M。



それが、ルイの口から出てきた。








……M、か……そう言われて思い出す。


ルイが前に言っていたMは、このMか。




スパイ、M。


M……そうして、ふと気が付く。



頭文字、なら。




え、ちょっと待って?




この中に、Mは一体、何人……




ま、まさか、



「……どういうことや。しっかり説明しろ、ルイ」



湊が低い声で言う。


目つきはいつもより鋭い。




「アリスが来た時に、残していった情報だ。この学校にはスパイがいる。スパイの名は、M。アリスが言いに来た時点でおそらくそのスパイは普通のスパイとは違う」


「……確かな情報なんやろうな」


「確かだ」


「アリスの嘘ってことはないんか」


「ない」


「………」




ルイと湊が睨みあう。


さっきまでの空気が、一変した。





0
  • しおりをはさむ
  • 1246
  • 4425
/ 617ページ
このページを編集する