魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの1学期 /小糠雨と亮月







Side.C




「セーラちゃんおはよっ!」


「あ、うんおはよ」




桜並木を歩いたセーラちゃんに後ろから抱き付いた。


走った勢いで、足元の花びらが舞い上がる。




……そういえば、数本木が折れてるのは、湊のせいなんだよね。あたしその時いなかったけど。




「ぐえっ」


「あれ?今変な音しなかった?……もしかしてまたローニングの襲撃かな!?」


「ローニングより身近な敵の襲撃だよ……」




セーラちゃんはため息をついた。


どうしたんだろう。




……なんか、元気ないなぁ。



ううん。元気ないのは、みんな。




スパイ、M。


その話を聞かされてから、誰も元気がない。




特に、湊は分かりやすくて。



湊がルイに怒ってるの。


何でルイはみんなを疑ってるのかって、湊は怒ってる。




あたしも怒ってるけど、湊の方が怒ってる。





……スパイ、M。



そう聞いて、レインがばらばらになってる。




新しい年になって早々。




どうしてルイは、みんなに言ったんだろう。



……言わない方が……とも思ったけど、そう言われてみれば、今まではルイ一人にそんな重大なこと考えさせてたんだなって、思った。




ルイ一人で、誰かが裏切者だって、考えてたんだ。


……ルイは平気だったのかな。



裏切られるって、怖いことだ。




誰かに裏切られるのが怖くない人なんて絶対にいない。





0
  • しおりをはさむ
  • 1239
  • 4326
/ 617ページ
このページを編集する