魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの1学期 /硝煙弾雨と自性の月






「……ねぇ、あたし、最初に言ったじゃん。あんたのこと、風の国の密偵だって。それについて、何も違和感を感じなかった?」


「……?どういう意味ですか?」


「あれでさ、違和感を感じないのはおかしいと思うわけだよ、あたしは。あんたの考えはまだ浅いよ。だってさ、あたし、あんたのこと”風の国の”密偵って言ったんだよ?状況的に、”ローニングの”密偵でもおかしくないのに、”風の国の”密偵って言ったんだよ?」


「………」


「あてずっぽうで言ったんじゃないよ、あたし。根拠があってそう言ったの。あたしがそういう人間だってことは分かってるでしょうが」


「……だから、何です?」


「あたしが何で、おまえがローニングのスパイじゃなくて風の国のスパイだって、見抜けたと思う?」


「それは、私の名前が……」


「そんないくらでも偽装できる事実を根拠にするほど真実に飢えてないよ、あたし」


「………」




どうしてそう判断できたか、さ。長くなるけど聞いてくれないかな。


いいよね?




だってあたしは、あんたのつまんない話が終わるまで、ずっと待っててあげたんだから。





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