魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの1学期 /北山時雨と雨夜の月








Side.M




「ルーイ」


「………」


「ルイ、無視するなってー」




……明らかに嫌そうな顔をして、ルイは止まった。



すげー瞳で睨んでくる。




久しぶりだな、ルイがここまで顔に出してイラついてんのは。


ま、ルイの表情って言ったらだいたい睨むか無表情がどっちかだよねー。




「何でそんなに不機嫌そうなのー」


「……分かってることを言うな」



その声は低かった。


いつもより数段。



本気で身震いするほどに。




「セーラちゃんが騎馬戦出るってやつー?」


「………」


「それで、何でルイが怒るの?」


「………」


「セーラちゃんが出るって言って、どうしてルイが怒るの?」


「………」


「騎馬戦に出るかどうかはセーラの意思でしょ。ルイには関係ない」


「………」


「ルイがセーラちゃんを止める権利なんて、ないでしょー?」




ルイが、睨む。


それに負けないように、俺も笑う。




……この睨みに無意識に普通に笑っちゃうセーラちゃんは一体どうなってるんでしょーね。



おにーさんは怖いよ。






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