魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの夏休み /曦月






「ねえ、聞いた?またどこかの国が倒れたんですって!」


「そうそう!知ってるわ、今度はリヴィラでしょ?何でも、反国家勢力に倒されたらしいわよ」


「やだわ~、物騒ねぇ」


「これでもういくつ目になるのかしらね。まったく、世の中が不安定だとまたどんな大戦争が起きるか分からないわ」


「ねぇ、ハルちゃんも物騒だから気を付けなさいね?」


「そうそう!ハルちゃんみたいな別嬪さん、国が倒れて居場所を失った役人や兵士が襲ってきてもおかしくないんだから~」


「え……えと、」




えっと。


これが井戸端会議というものなのか。



存外情報ツールとしては優れているな、というのが第一の感想。


……それにしてもすごい勢いで話が進んでいくな、というのが二番目の感想だった。



いや、一番も二番もほぼ同時に感じたけど。



こんな光景、私は今までに体験したことがなかったから、引き気味になってしまう。



いや、落ち着け、落ち着け。


この程度で驚くな。きっとこの人たちが、この井戸端会議のお母さんたちが私の元の生活風景を見た方が引く。ドン引きするんだから。



噂話を豆鉄砲のようにしゃべる、これが普通なんだから、いちいち表情には出すな。




「次はこの国だったりして~!」




……何その勘。すごい。


正解だよ、おばさん。



大正解。



次はこの国。




次滅ぶのはこの国―――――シートペニア。




そして、下手人はこの私。








主にもらったその名は、ハル、だ。






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