魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの2学期 /秋時雨と弓張月






「やっほーみんな!」


「ちょっと蛍!もうクラス発表3つくらい終わっちゃったわよ!あんたどこ行っ……て……」



明らかに雛の声が止まる。


その目はあたしの姿をとらえていて。




「……あんた何それ」


「これはねー、ほたるの馬だよ!マレンゴっていうの!」



……確かに、顔も体も声も隠れてる。



「はぁ!?おまえそれおかしいだろ!!人間だろ!クオリティ低いだろ!」


「というか馬なら騎馬戦用の馬が用意されてるよね?」



……確かに、気配はセーラルイーズに変わってて、星羅のものじゃない。


だけど。

だけどさあ。




全部で10の目があたしの方を向く。


……誰が想像しただろうか、この状況を。



もちろん、彼らが見つめているあたしはである。



と。


その中から、ひとりがあたしの方に進み出た。


彼女はあたしという馬と対峙する。




「ごめんなさいね、蛍のわがままに付き合わせてしまって。私は……」




チラリと、ソイツはあたしの隣……たぶんルイを見て。




「……私は、光の神でこの学校の理事長をしているの。ルナと呼んでほしいな」




にこりとルナは微笑んだ。



……誰がここまでの展開を想像しただろうか。



瑠菜がぎゅっとあたしの両手を握る。



あーあーあーもう。


何だよこれ。



何なんだよ。



正体に気付かれる恐怖で手が震えたりとか、そんなこともこれっぽっちもないわ。



ここまでくるともはや苦笑いしか生まれてこねえよ!!!




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