魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの2学期 /気違い雨と兎月






笠松匡。


いいね、アイツ。



単純で扱いやすい。


ま、単純っていっても、扱うにはそれ相応の報酬がいるらしいけどね。



たとえば今なら鵜飼蛍湖。




「きょ……、」




水樹くんが狼狽える。


そろそろ落ち着けよ少年。



目の前にいるのは、昔の仲間で今の敵。


でも、今この時に限っては。



今は敵でも、この戦争に限っては。



あたしが用意してあげた、心強い味方でしょう?



それは、昔と同じように。


たった一時の味方であっても。




「きょ……、」




ガキッ!


笠松匡は蛍に容赦なく剣を突きつける。



本気でその小さな体を貫くつもりで。




「――――もたもたすんじゃないよぉ」




と。


笠松匡は口を開いた。



あーあ。誰かに声聞かれて気付かれる可能性があるから、声は出すなって言ったのに。



バカだなぁ。本当に。





「――――この女を殺しに来たんでしょぉ?」




そういうところ本当に、水樹くんにそっくりだ。





「……おまえ、」


「俺も殺しに来たから」


「………」


「俺が先に殺しても、文句言わないでよねぇ?」


「、」




と。


水樹くんが剣を持ち直す。



表情は見えないけど、あれは――――




バキッ!!



水樹くんの剣と蛍の剣が、強くぶつかった音。





「望むところだ!!」




1対2、か。


ま、それだけハンデを積んでも純粋な力を比べたら蛍の方が上だろうね。




それに。












「―――――殺すぅ?」




それに、蛍は。


あんたらみたいには、単純じゃあないだろうけど。




蛍はあんたらと違って一面性じゃないからな。





「――――もう一度言ってみなさい」


「、」


「あんたたちが私に勝とうとか、1000年早いんだけど。




言ったでしょう?弱肉強食のピラミッドの頂点は――――」






今度は蛍から仕掛ける。



2対1でちょっとは有利になったけど、これはやっぱり早々に―――――














っと。



あたしもそろそろ、自分の戦いに集中しなければ。





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