魔法ノ花Ⅴ【完】

★3年Aクラスの春休み /瘴雨と有明の月





Side.M





ガッ!



影からみにくい笑顔を丸出しで襲ってきた敵を、けおとす。





「……ったく、下品な奴らだ」


「それオメーに言われたら終いよ~水樹クン」


「うっせぇな!」




そう言う雅也の手は血塗られていた。



……ああ、気分が悪い。





こういう薄暗くて、気味の悪い場所は、気分が悪い。





「本当にここにいるのかよ。何か変だぞ、ここ」


「そうだねぇ。千早ちゃんのときとはちょっと違うねぇ」


「あたしのときとは違うってどういうこと?」


「気味が悪いのよ」




……気味が、悪い。


敵がおかしい。




千早の時とは違う。



この前は、功を立てんと我先にと襲ってきたローニングのやつら。




だけど今回は違った。





「目が、おかしい」





ルイがつぶやく。



……ルイの言う通りだ。明らかに目がおかしい。




その瞳には何も映していなかった。





功も、何も。



ただ、何か狂気のようなものが。





「これじゃただのゾンビやな」




湊が笑った。



そのいつもの様子を見て、美咲は心なしか少しだけ落ち着いたように見えた。




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