魔法ノ花Ⅷ








「………」




ハルが睨む。


それを見て、俺は笑う。




笑ってる筋肉の感覚は俺にはねえから、どんな風に笑ってるのかは俺には分かんねーですけどもね。



どうせ気持ち悪い笑い方してるんだろう。







────ハルは俺がアイツらを殺さなかったことに対して睨んでるのか、それともアイツらを弄ぶような発言に対してか。





ま、そんなこと考えずともハルの言いたいことくらいすぐ分かるけど。






「ハルちゃん~オメーはどっちの味方だよ~」


「……、…」





チェスのルールには、取った駒を自分の陣に引き入れるルールはねえんだけどな。





……おもしれーじゃん。ルールは破るためにある。この戦だって例外じゃねーからな。





チェス盤の上のビショップを動かす。


コイツが後で効いてくるんだよね~。





「まあそう焦んないの~。こっちに来て向こうの気配が分からなくなった。うまく変えたんだろうねぇ」




アイツらの気配を正確に読み取れるのは、アイツらの気配を覚えられるほどアイツらに関わった、ラクティスと大将。


そしてつい最近対峙したばかりの俺とハルも、アイツらの気配は記憶に新しい。




お姫様やアリサじゃ記憶にないだろう。二人がアイツらに居合わせた場所には、もっと濃い気配がたくさんあった。カミサマって連中が全員出揃ってたからな。



その中でアイツらの気配を正確に読み取り、さらに正確に記憶する能力が二人にあれば別でしょーけど。




さらにアイツらは魔法の気配もさせることなく、気配を変えた。おかげで正確な場所は分からない。────っていうのは、ハルが言ってたことなんだけど。ハルの気配センサーがどうやらしっかり欺かれてるらしい。





────俺はというと、残念ながらアリスに攻撃したおかげで魔法が使えねえからよく分かんねえのね。




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