魔法ノ花Ⅷ






「ここに来たってことは、まさか忘れ物を届きにきたわけじゃないんでしょーね?」


「ええ。ちょうど今気が変わったの。運がよかったわね」


「てれれれ~れれ~とぅっとぅとぅるる」


「でも、私が協力するなら協力するに値する態度を示したらどう?」




……おっと。


おっとおっと。これはまさかの俺とキャラかぶりかー?




「ぶはは!Sか!Sなのかコイツ!」


「おい湊今のところだろ。入れよ」


「うちのボスのシリアスの持続時間短すぎんかオイ」


「これでもがんばった方だよ許したげてー」


「……まあいいわ。でも私は、あなたたちとは目的が違うから。あの死神を助けたいなんて思ってない」





ま、そーだよねー。






「じゃあ何でオマエは行くんや」


「……私は、あの人に一言文句を言いたいの」


「………」


「私が前に進むためにね」


「………」


「剣は持ってきた。当面の着替えや旅に必要なものも詰め込んできたわ。旅と馬には伝手があるから、行くわよ」


「そーかいそーかい」



行くって決めたら行動がめちゃくちゃ早いじゃないのよー。しかも的確だしー。



「私はイブ。姓はないわ。好きに呼んで」




そう言って彼女は背を向ける。


何だよかっこいいじゃんー。戦士って感じー。



「分かったよイブイブー」


「イブ、文房具、軍手、テープ……コードネームはセロテープでいいか」


「いや何でやねん。さすがにそれはツッコむわ何でしりとりやねん。ということでよろしくなプリンちゃん」


「いやおまえもしりとり続けるんかーい」


「……先行く」




イブちゃんが俺たちに背を向けて歩いていく。


何だこの超迷走チーム。何かもう何も進まねーよ。それはそれで楽しいからいいけども。





















「……ふふ」


「……どーかしたのー?」


「……いえ」







そのまま彼女は、何でもない、と呟いた。





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