魔法ノ花Ⅷ






「『死神の墓』は通称で、実際死神の墓ではない。そういう宗教観念なの。――――あの恐ろしい魔法の宿った赤い花は、死神が死んだ後に咲いた花。だから誰も侵せないし、触れてはならない。私たち人間はそのお墓の周りでただ生かされてるだけ――――この世界の子どもはね、生まれた頃からそう聞かされるのよ」


「……アリスもそう聞かされたのか?」


「そうよ。親にそう教えられるの」


「………」


「まあ、強ち間違っていないわ。本当にここに光の神に殺されかけた闇の神が封印されてるし。墓って表現も的を射てる」


「だからこんな地図になるのか……」



その花畑の淵が、国境にもなってるんだろう。





「……でも不思議よね。決して侵せないと分かっていながら、この世界はその力を欲して戦争を起こすんだから」


「……え?」




今、アリスの雰囲気がちょっと変わった。


刺々しくなった。




いやそれよりも何だか、……何だか言葉に影が差したような。




「戦争を起こすって?」


「あの趣味の悪い頭の色したお友達に聞かなかったの?」


「あー……そりゃ趣味が悪いのには同意するけども」


「どうしたらあんな色にしようと思うのよ。ほんと色々趣味が悪いわ。ねちっこいし」


「ねちっこいのも同意するけども」



雅也のグチ大会は後で開催しよう。そうしよう。絶対話が合う気がする。というよりアリスと話が合いそうな話題もうそれしか残ってないよ。会話のネタにしよう。


でもとりあえずそれは後でするとして。




「どういうことだよ、ねちっこ……あ、じゃなくて」




待て待てつられた。そうじゃなくて。それは後でじっくり話すから置いといて。




「戦争ってどういうことだ?」




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