魔法ノ花Ⅷ

むらさきいろ /ルピナス〔imagination〕





* * *




Side.M





「みかるはどうしてあの人といるの?」




と。


買った馬を走らせる道中、不意にそう聞かれた。




……変な質問だと思ったけど、それよりも名前を久しぶりに呼ばれた気がしたことに違和感。久しぶりだと思ったの、気のせいかな。



まあ、唐突だったけどあの人っていうのは、セーラのことだろう。





「どうしてって、理由がいるのかよ」


「だってあの人は普通の一般人を装っていたのに。レインとは関係なかったわ」




……何か、同じ質問を何回もされた気がするなあ。


ステラにもされたし。




他にもされたっけ?



されてなくても、何度も自分の中で考えた。







「……何でってそれは――――」


「――――っ」




アリスが手綱を引いた。


手綱を引いた理由は、踏みそうだったから。




道に倒れた馬に。






「……、何でこんなところに馬が倒れてんだ?」




疑問を口にすると、木陰から人影が姿を現した。




「ああ、すみません。僕の馬なのですが、少々疲れてしまったようで。お二方は旅人とお見受けしましたが、水分を持っておられませんか?お礼はしますので」




そう言って笑う、男性。


フードからはみ出たきれいなプラチナブロンド、そして特徴的な目の色……ていうかこの人、どこかで見なかったか?




「……あ、あなたは」





と。


隣を見ると、アリスが目を見開いていた。




……え?まさか何かやばい人?
















「あ、アルト王……!?」












……え、あ、





「……ああ、僕をご存知でしたか。旅人の方なら僕の顔は知らないだろうと思っていたので……初めに名乗らなかった無礼をお許しください」




眉を下げて笑いながら、その人は被っていたフードを脱ぐ。




「……、…」





み、見たことある。もちろんある。



ルナが書いた人相書きそのものだ。




人当たりのよさそうな好青年。



す、すごい。男なのに男の俺でも見とれる。






いや、ていうか……ま、マジか。


何でこんなところに王様と出くわしたりするんだ……!?





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