魔法ノ花Ⅷ





ローシは鎌を振りかぶる。



何でだ。何で隙がねえんだよそんなゆったりと振りかぶってんのに。



その鎌を受け止めるために、剣を構え――――いや、無理だ。


次に来る一撃を、この剣で防ぐのは無理だ。


俺の本能がそう言った。




俺は剣を受け止めるのは諦めて、ローシの方に向かって魔法を放つ。


その反動で後ろに跳び、太い木を盾にした。





……ちなみに、魔法は普通の剣では斬れない。



剣で魔法を斬ることができれば、それは魔法剣だ。魔法の宿った剣だ。



そしてローシは、俺の放った魔法を切りさいた。




……あれ、魔法剣だったのかよ。いや剣じゃねえか。魔法鎌か。




「いい判断ですぅ」




ローシは剣を振り切ったまま、同じように微笑んだ。



さっきよりも太い木が倒れる。


地面がゆれた。





「……、」





ローシは同じように微笑んだ。


でも、同じじゃなかった。


さっきとは違う。



さっきとは違って、目が――――赤く光ってる。



図書室で見たのと同じだ。


セーラの目と同じ。



ただ違うのは、目の色までは変わってないこと。



そんで鎌の付け根には、さっきまでなかったはずの赤くて丸い宝石みたいなものがひとつ埋まっている。




「……おまえ」




俺の勘はやっぱり間違ってねえな。


あれを剣でまともに受け止めたら、剣ごと折れてた気がする。




「おまえ、分力ってやつ、もらってたんだな」


「ここで怖気づくとかつまんないこと言わないですよねぇ?」


「もちろん言わねえ」



そうか。コイツもセーラが使ってたのと同じ剣を使えるってことか。



「やっぱり俺はマジでラッキーだな」




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