魔法ノ花Ⅷ

あかいろ /シャクナゲ〔danger〕



Side.C




「逃げてばかりでは興醒めだ。なぜ向き合わない?」


「っ!」




ガキン!


千早を襲う剣を、右手の剣で弾く。



そのまま払って、また背を向ける。




「おもしろくないな」




……千早だって、別にあんたが怖いから逃げてるんじゃないもん。


千早は瑠菜さんの教えを一番よく聞いてた。

水樹やみかるより、ちゃんと千早は聞いてた。


戦い方は瑠菜さんに教わった。



それで、千早がこの人と戦うのに一番いい場所も、教えてもらった。





それでその場所は――――ここだ!!






「おっと」




キィン!


千早の右手の剣がその男の人――――ロディスの剣に当たる。




余っている方の左手の剣でさらに一撃。


うまく入ればラッキーだったけど、さすがにそれはよけられた。




……きれいなかわし方。体の動きが洗練されていた。


剣もすごくきれいだ。ちゃんと手入れされている。ちゃんと、剣を大事に思っている人の剣だ。……セーラちゃんも、そうだったな。



セーラちゃんがそうだったから、千早は、セーラちゃんと仲良くなりたいと思った。



……でも、不思議だ。



この人とは全然仲良くなりたいと思わない。





「この場所が君の目的か」



ロディスが周りを見回す。


千早から視線をはずした。試しに懐に入ろうとしたけど、スルリと避けられた。……大丈夫、今のはいけると思ってなかったし。



「何もないね」


「そう」




さっきまでの場所は、教会の周りが森で、教会は大きくて障害物になる。



そう言う場所が、千早の戦い方には向いてない。



「あたしは変な小細工とか向いてないから」




木や建物を使って戦うのは千早には向いてない。


何もないところで、周りのものを何も利用せずにただ戦う。千早の怪力には一番それが向いてる。



って、瑠菜さんに教えてもらった。




だから森を抜けて、何もないところまで来た。




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