魔法ノ花Ⅷ






「真正面から勝負ということか」


「………」


「いいだろう」



キィィン!!



「、」




重い。セーラちゃんと戦ったときみたい。


でもあの時みたいにワクワクしなくて、あの時よりも重く感じる。



思えばあの時もセーラちゃんは手加減していた。


だって、瑠菜さんにも勝てちゃう人と、千早が互角で戦えるわけがない。



セーラちゃんはずっと手加減してた。1年生の時からずっと。


悔しい。



何も見せてくれなかったの。




「ぐっ」


「………」




ロディスは無言で剣を裁く。


きれいな太刀筋だ。瑠菜さんに聞いてた通りだ。


でも瑠菜さんがロディスの剣筋を再現して戦ってくれたおかげで、何とかついていける。




……この人が、セーラちゃんの軍で、セーラちゃん以外に2番目に強かった人か。



すごくきれいな人だ。



千早の想像する『貴族』って言葉がぴったりな人。




見た目はね。



でも何かが違う。




この人の顔は怖かった。



怖い顔をしているわけではないのに、なぜか怖いと感じた。






「集中しろ」


「、」




う、――――すごい。


千早の剣が、両方、一度の動きで弾かれた。



体勢を立て直す。



大丈夫、まだ疲労はない。



セーラちゃんに会いたければ、セーラちゃんの隣に戻りたければ、まずこの人を倒すしかない。





……分かってるよ。


分かってるんだけど。




……隙が無い。


舐めてたわけじゃない。


舐めてたわけじゃないのに、こんなに重いなんて。




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