魔法ノ花Ⅷ





「……君の実力はその程度なのかい?」


「そんなわけない!」


「そうだと思ったよ。君は全然集中していないようだから」


「……、」


「主のことを考えているのだろう」


「………」


「かわいそうに。主は君たちを捨てたのだったね。僕は無神経ではないから率直に同情するよ」



……す、



「捨ててなんかない!」



声を荒げてから、あ、これはダメだと思った。




次の瞬間鋭い突きが入った。



それを千早はかわせなくて、




「ぎゃっ!」


「かわいらしい声だ」



そう嘯きながら、ロディスはさらに一歩踏み込む。



でも次の攻撃は右の剣でしのいだ。



左の脇腹から血が滴る。


その傷はすぐに塞がったけれど。




「愚かだね、君は。愚かなほどかわいらしい。僕の言葉にこれほど素直に耳を傾けてくれるのは久しぶりだ」



そう言いながらおもしろそうに笑う。



バカにされてるのは分かる。



「主は女性だ。女性でも戦術に長けた人間は多くいる。だが君は」



そこでロディスは言葉を切って、千早を見た。




「君は彼らの中で足手まといなのでは?」


「………」



……足手まとい、か。



ロディスは休戦とばかりに、千早に攻撃をしてこない。





『足手まとい』



構えていた剣を下す。


……足手まとい、か。





ルイは強い。風華さんにも勝ったし、セーラちゃんの手を掴めた。タクラにも一目置かれてる。


湊もすごい。あんなにうるさいのに、大事なところでは静かに考えて。この前の実技試験でもいきなり優勝した。


雅也はすごく頭がいいし。あのセラフィア語の本を全部読んで、また千早には話してくれない作戦を考えてた。


水樹もバカなのに勘が鋭くて強いし。


みかるだって、みかるの持ち前の性格でいろんな人と簡単に仲良くなるし。アリスとだって。


美咲はみんなのために空間魔法をかなり練習してた。





千早は?




『足手まとい』?





そんなことは、


























―――――ギィィン!






0
  • しおりをはさむ
  • 5707
  • 4400
/ 622ページ
このページを編集する