魔法ノ花Ⅷ







話を元に戻すと。


……アルトっていうのは、さっき聞いた、セーラを追い出したセラフィアの国の王様で……



ルナのニュアンスでは、セーラはアルト王に忠誠を誓ったにもかかわらず、アルト王は何らかの理由でセーラを切り捨てた、って感じだった。


会ったことがないからどんな人かも知らねーけど、そんなにやばいやつなんだろうか。



そんな奴を守らなきゃいけないのか、俺たちは。



「アルト王はセーラの敵だよ。あなたたちにはそのアルトの味方をしろと言っているの。セーラの敵になれと言っているの」


「………」




全力のセーラが敵。





「あなたたちにそれができないとは思ってない。そういう覚悟があることは分かってる」



……大丈夫、分かってたことだ。これくらい、全然。



「――――なら早く準備させろ」




と。ルイが言った。


ルイの目は鋭い。ルナはそんなルイを見て、またちょっと驚いたように笑う。




「セーラは本当にすごいなあ。みんな虜にしてしまうなんて」


「誰が虜やねん」


「照れんなよ」


「禿げろよ」


「大丈夫大丈夫。俺たちもそうだから」


「………」




竜崎零のその笑顔は、きっと嘘をついていない。






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