魔法ノ花Ⅷ

きいろ /クンシラン〔nobbilis〕




Side.C




まずセラフィアに来て最初の壁との衝突が終わった。


千早は生き残った。



でも。




「どうして、みかるが……」




あれからすぐに夜が来たから、みんなで夜中まわりを探した。


でも誰もいなかった。



あの時教会に集まった人以外、誰も。



ローシとロディスは千早たちが拘束してるからいいとして、他のセーラちゃんの手下もひとりもいなかった。


ハルも、アリサも、アイリーンも……アリスもいなかった。




「こっちから減ったのはみかる、アリス……向こうで減らせたのはロディス・ローシ・タクラか……戦績としては悪くないんだけどねー」


「何で雅也はそんな計算できるの!?」


「割と真面目に返事すると千早の今と同じ状態の時間は先に終えといたからー」


「………」


「大丈夫、死んでないよー。だって何も見つかってないもん。死体がないならまだ死んでない」


「……、…」




そうだ。何を変なことを考えていたんだろう。


雅也が何も感じてないはずないのに。




「ごめんなさい……」


「分かればよし」


「見つかるといいね、君達の仲間」


「直前の相手はアイリーンだったんだけどさー、彼女について何か詳しく教えてくれませんー?」



そうだ。アイリーンについて、あたしたちは詳しくない。


ルナさんに聞いた情報以外何もない。……あの本にも、アイリーンのことだけは何も書いていなかったらしい。




「……アイリーン様と、行動を共にしていたのか」



サーシャ将軍が言った。



「えーと……千早たちとは一緒にいなかったけど、セーラちゃんと一緒にいるところは何回も見たよ。私たちの仲間でいなくなったみかるは、アイリーンと戦ってて姿を消したの」


「アイリーン様はやはりまだ生きておられたのだな」


「やっぱりあれはただの噂だね」


「噂?」


「アイリーン様は、この世界の一般市民には亡くなられたと思われている」


「……え?」


「"アイリーン姫は兄のアルト王に殺された"という噂は聞いたことがあるかい?」


「……殺された?」



アイリーンは生きてるじゃん。




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