魔法ノ花Ⅷ

no title /瑠菜と零


* * *





話が一通りまとまって、お兄ちゃんたちの住むマンションの屋上に来た。



目の前に色んな景色が広がっている。


ここはどの国にも属さない街だ。



あっちの方角には水の国、火の国、植物の国……そして視界に入る中で一番その存在を主張しているのが、セレステラ魔法学校だろう。


少し遠くにローニングも見える。









……これが、星羅も見た景色か。





「……教えなくていいのか」




零が珍しく神妙な顔をして聞いてきた。



零と何の言葉も交わさなくても、自然と二人でここに来てしまった。





零の顔を見ることができない。どんな顔をしているのだろう。



……本当に、やめてよ。揺らぎそうになるから。




「他にも助ける方法があるかもしれないって言ったら、アイツらはきっと……」


「星羅でも見つけられなかったんだよ。星羅が見つけられないものを、お兄ちゃんたちに期待するの?」


「……期待しちゃダメかよ」


「今は『探すこと』に賭けたくないの。あと27日だよ。他にやることはたくさんある」





そんな夢みたいな方法を聞いたら、きっとその希望に囚われてしまう。



ほとんど掴める可能性のない希望に、取り付かれる。






「全財産を勝ち目のないギャンブルに賭けるようなものだよ」


「……勝ち目は、本当に0.00001%もねえのか」


「……何か言いたいことがあるの?」





零の様子が何か変だ。


零は私の知らない何かを知っているの……?




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