魔法ノ花Ⅷ

きいろ /ナスタチウム〔patriotism〕




* * *




「……ご、豪華……」




千早たちは応接室に通された。


応接室って言うから、ソファと机が置いてある、校長室みたいな部屋を想像してたのに……確かにソファと机は置いてあるけどものすごい高級そうだし、ソファと机をどかしたら小規模な舞踏会が開けそうな部屋だ。


壁の飾りも天井もすごい。




「コートクラウン王族は華やかなものを好んできたからね」


「アルト様が質素なものを好むのが珍しいのだ」


「掛けていて。アルト様もすぐにいらっしゃるだろうから」



……来るのか、王様。


いや来るだろうけど。



……この人たちも貴族なら、ずっとここに住んでるわけじゃないだろうし。貴族なら自分の領地があって、そこに本宅があるのがふつう、ってノアに聞いたけどあれは本当だよね。

ノアじゃなくてローシだったけど。




「アイツめちゃくちゃ弱々しかったけどな」



と。水樹が言った。


水樹基準なら誰でも弱々しいでしょって思ったけど、確かにそうだ。



「あの王様戦えるのかよ?すごい弱々しく見えたんだけど」



……水樹の目で見てもそうなんだから、千早もそう感じたことは正しかった。



「アルト様は戦場に出られたことこそないが、毎日数時間は武術の鍛錬をされているよ。僕も軽い護身術程度だと思っていたけど、あの日アルト様はセーラの剣を受け止めているからね。王としては不必要な技術も身に着けているのだろう。だから、そこまで弱々しいわけではないよ」


「何だか納得できねえな」



水樹が唸る。



「王様は誰に習ってるんだよ?おまえらか?」


「武術に関しては僕もサーシャも手を出したことはない。加えてセーラもだ。きちんとした専属の講師陣が教えているがそれも毎日ではない。大半が自主練だ」


「それでそんな強くなれんのかよ?」



水樹が首をかしげた。



「それに、きれいな人だったわ」



と、美咲が言う。



「姿はもちろん、動きがきれいだった。ひとつひとつの動きが洗練されていて美しかった」



……それも思った。


遠かったけど、あの人絶対いい香りがするやつだ。絶対汗かかないやつだ。呼吸するとマイナスイオン出すやつだ。トイレ行ってもマシュマロしか出ないやつだ。



「メンクイの千早ちゃんにはダメージ大きかったー?」


「め……メンクイじゃない!!千早はちゃんと中身を大事に……!」


「はははどの口が」



ほんっと意地悪だな雅也……!




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