魔法ノ花Ⅷ

no title /レインとカミサマ





ゴーン、ゴーン────



時計塔の鐘が鳴った。




「それでは出席を取りますプラコッテ」




いつも通りの日常。


おそろしいほどいつも通りだ。



いつも通り、なのに。





……つい先日、この学校であんな地獄のような戦いがあったなんて信じられない。


もう見る影もない。



壊された校舎も魔法で戻った。






全部、戻った。




















────なのに。





どうして、あなたはいないのですか。






「染井まい」


「吉野睦海」


「セーラルイーズ」





先生の呼んだ声に、反応はない。





空席があるのに、いつも通りに流れていく時間に憤りすら覚えてしまう。





これは八つ当たりもいいところ。



学校は元に戻って、いつも通りに戻ったんですよ、セーラちゃん。





……なのになぜ、あなたはもうここにはいないのですか。





わたくしは、まだあなたに言いたいことも聞きたいことも怒りたいことも伝えたいことも、たくさんあるのに。





「本当にひどい人」




そう言っていつも過剰に反応してくる友人は、もういない。



……このままいなくなったら、絶対に許しませんから。












「────速水千早」




そして、その名前にも返事がない。






────千早ちゃんまで、一体何をしているのでしょうね。




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