魔法ノ花Ⅷ






「えっと、アイリーンだよね?見た目も喋り方も全然変わってるけど」



アイリーンはお茶を用意しながら答える。



「お姉様の作戦で、私はステラの姿でいなけなければならなかったでしょう?でもおかしいと思わない?私がステラの姿でずうっといるわけないのに。ステラの時は止まってもアイリーンの成長は止まらないの。成長するに決まってる」


「そういう呪いなのかと……」


「そういう呪いでも私は大人になる幻影の魔法をかけるよ。だって同年代の友達ができないんだもの」



アイリーンは千早と美咲の前にお茶を差し出した。




「ステラの姿でいないと、お姉様が私に執着しているように見えないから、幼い姿を続けたの」


「………」


「………」


「私は元々ああいう喋り方だったけれど、しゃべり方もお姉様に指導されてたの。ステラっぽい喋り方の方がお姉様を縛ってるように見えるでしょ?私を悪女にしたてあげるなんて、お姉様本当に性格悪いんだから」


「………」


「………」


「このお姫様みたいな喋り方、早く卒業したくてたまらなかったのです。だってわたくし、もうお姫様やめたのですから」



ステラは椅子に座ってニッコリ笑った。



「だから元の姿に戻れたら、お姫様のしゃべり方もきっぱりやめようって決まってたの!」



……なんて、言ったらいいのか。




「全然、違いますね……」



美咲が呟いた。



「私はお兄様と違って演技は得意だからね」


「………」




そう言って微笑むアイリーンは本当にきれいだ。



今までは天使みたいなかわいさがあったけど、そこから成長してさらに美しさを纏って、でも成熟しきってない子どもから大人に成長する過程のどちらともつかない神々しさ……!



あ、千早これ変態だ自重しよう。



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