魔法ノ花Ⅷ

きいろ /ツンベルギア〔black eye〕






「怒涛の一日だったねー」



コートクラウンの夜は少し肌寒い。


でも俺たちに与えられた部屋は広くてきれいでベッドも柔らかい。


王様には色々よくしてもらってると思う。





「……マジで意味分かんねえ」



ベッドに大の字に寝転んで、目を見開いて呟く水樹。


ま、そーでしょーね。水樹には分かんないことばっかでしょーね。


俺でも自覚してないだけで分かってないことが色々あるんだろうって思うものー。




「湊はちょっとはスッキリしたー?」


「……まあ」



その返事には『まあ』って気持ちが全く籠ってなかった。




湊は部屋の窓から外を眺めてる。


その方角は……花のある方か。




「気になるなら抜け出しちゃえばー?」


「別に気にならん」




湊は静かだ。


湊が静かな時はだいたいめんどい時なんだよねー。



つまり、湊が自分の中で思考を完結させてるとき。自分の中だけで、問題を解決しようとしてるときだ。



そういう湊は面倒この上ない。


兄の時もさんざん言ったのに、結局クセは直んないみたいだね。




「……でも、よくおまえの花の魔法はバレてなかったよね。ラクティスと戦ったのに」


「最初から魔法では勝負を挑まんかったからな」




俺の言葉には一応返事はする。……何も言わなかった前よりはマシか。




「兄の魔法もおまえにきかねえんだよな?何で兄にバレてねえの?」



水樹が言う。


よくそこに気付いたねー。水樹にしてはすごいすごい。




「セラフィアに来る前の特訓で、兄貴とは魔法を使わんことしかやらんかったからな」



……俺は闇の神や光の神には、分力を持ってることを言ってもいいんじゃないかとは思ってたんだけどね。


でもルイと湊は言わなかった。



別に兄や妹と確執があるからって理由ではなく、セーラがそれを二人に最後まで伝えなかったって理由だ。


セーラが二人に伝えなかったのにも何か理由があるかもしれないと勘ぐったから。



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