魔法ノ花Ⅷ






……だけど、そうだったとしたら。




『最終手段のつもりですか?』


『そうだ』



つまり、私があの人に負けた後に、ストッパーとして与えられる力。




『貴様も当然分かっているだろうが、私の分力を貴様に授けるわけではない。貴様に仲介を果たせと言っている』


『………』


『貴様も分力を与えられた身なら知っていよう。分力を与える者に、神は口で直接触れねばならぬ。だが私にはその力はない』


『……そうだねえ』


『だから今私が"分力を与える能力"を貴様に授ける。そうして、貴様は私の分力を与えるに相応しい器を5人見つけよ』




……なるほどね。


確かにそれなら、あの人と対等に戦える手がひとつ……いや、5つ増える。



『でも、あんた私を信用できるんですか?私、あんたを裏切って自分のいいように使っちゃうかもしれないんですよ?』


『ここにいる間は貴様の思考はすべて筒抜けだ。よって貴様がそうは考えていないことは分かる』


『………』



なるほどな。それってすごく一方的だけど、信用できるできないの口論が始まるよりはずっといい。



『だけど、分力だけではロアンには勝てないですよ。もっと決定的な力がほしいなあ』


『……その力だけは、貴様に託すつもりはない』


『チッ』




さすがにそこまでは無理か。


……でも、いいことを知った。




私はまたここに来られる。あの人に乗っ取られるときに意識を集中させれば、私は覚醒状態のまま、この場所に来て、この人に会える。


それの交渉はまた、そのときにしよう。今ごねる必要はない。




……ま、私の考えなら全部この人に筒抜けなんだろうけどね。







『いいよ。その話、乗った』










まあ、この交渉はだいたいうまくいったと思うんだよね、現在の状況的に。




0
  • しおりをはさむ
  • 5570
  • 4377
/ 593ページ
このページを編集する