魔法ノ花Ⅷ

さくらいろ /ソメイヨシノ〔pure〕





「タクラが消えたらしい」



部屋に入ってきて、開口一番にレインのリーダーが言った。



「だろうね」



予想通りだよ。ロアンもそろそろ動く頃だろう。



「動揺しないのか」


「するわけないじゃないの。予想通りだし」



それに予想外でもこんなところで動揺できない。


あたしが動揺したら、みんなが不安になる。



中心にいる人物がいつも堂々としていなければならないのは、そういう理由だ。王としてアルトも変化がなかった。





「ねえ、お姉様」



と。アイリーンがあたしの袖を引いた。



「ロアンの目的って、一体何なの?」


「………」




ロアンの、目的。


ルナを殺そうとしていることは、間違いない。



ルナを殺して、次に生まれてくる光の神を飼い殺しにし、この星を闇で支配する。


……本当にそれだけ?



そんなことが、あんたにとっておもしろいこと?




「よく分からない」


「………」


「あの人の本心は、いつも分からなかった」


『あの女は闇だ。考え方が違う。人間に理解などできない』




……


頭の中で、そんな声がする。




この声は、先代の光の神。


ええ、分かってますよ。分かっていますとも。




「ずっと一方通行だったから」



私とロアンは繋がっていた。


私の思考は原則全てロアンに伝わっていた。



でも、ロアンの思考は、私には伝わってこなかった。



「ロアンが分力の結晶を求めにセレステラを襲ってくることは間違いないよ」


「やからって何でセレステラの中庭に分力の結晶隠すん?セレステラが戦場になるんやろ?セレステラ崩壊待ったなしやん。破壊魔やんオマエ」


「そっ……それは!!セレステラはルナの結界があるし!!敷地広いし!!」


「それこわす気マンマンじゃねえか」


「おまえは壊すと満々くらい漢字が分かってからツッコめ!」


「……それくらい分かってたし!」



水樹は水樹だな、オールウェイズ水樹だな。




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