魔法ノ花Ⅷ

no title /お嬢ちゃんとマイケル





Side.E





「お嬢ちゃん、あんたみたいな若い子がこんなところでベロンベロンになるもんじゃないよ」


「いいの~おにいさんもう一杯~いつもの~」


「おいおいいつ常連さんになったんだよ」




お嬢ちゃんがこんな大衆酒場で酔っぱらうもんじゃない。



この大衆酒場を開いて10年ちょい、こんな意味分かんねえお嬢ちゃんが来たことはいまだかつてない。



大衆酒場に女が来ねえわけじゃねえが、とにかくこの子はここに来るような子じゃねえな。


この子はここに来るにはちょっと美人すぎる。


野郎どもの視線が集まって仕方がねえ。





「お嬢ちゃんきれいな顔してんだから、こんなところで酔っぱらうもんじゃねえって。いい加減水飲めよ」


「あれ、誰かと思ったらマイケルじゃん。私のこと覚えてる?昔一緒に川遊びしたよね!」


「誰がマイケルだ」


「あれ、ちょっと鼻が低くなって目が細くなって顔がぷっくりして全体的に大きくなった?」


「そんなに違ってどこを見てマイケルだと思ったんだ?」


「ミッケルったら川の中に大きなカニがいるって言ってさー!私はそんなのいるわけないって言ったんだよ!でもいるっていうから私も潜ってみたらさ、浮いたんだよ!大きな尻が!びっくりしてあの時はメーテルも一緒に溺れかけたよね~!まあ実際は桃だったんだけど」


「………」



もうダメだこの嬢ちゃんは。



何で川を桃が流れてるんだよ。


それに俺はマイケルじゃなかったのかよ。呼ぶたびに名前が違うじゃねえかよ!





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