魔法ノ花Ⅷ







とりあえずアルコールをだいぶ薄めたのを1杯差し出す。



「で、嬢ちゃんはどうしてこんなとこに来たんだい」


「そりゃマイケルに会いに来たにきまってんじゃん~!もっと再会を分かち合おうよ!乾杯!」




ふへへへ、と笑う。


……この酔っ払い、若い女じゃなければ外に放り出してやるんだけどな。




「そのカッコ、まさか旅人か?」



嬢ちゃんは真っ黒なローブを被っていた。いかにも旅人が着てそうなやつだ。


でも女の旅人にしては髪が鬱陶しそうだとも思った。



「つーか……なんか目が赤くねえか?」


「マイケル知らないのー?これは今西方で流行ってるコンタクトレンズっていうんだよ~。目の中に入れるアクセサリーみたいなもんなんだよ~」



こんたくとれんず?聞いたことねえな。


俺はずっとこの酒場をやってっし、外の情報はここに来た客から仕入れるくらいだ。




「西じゃそんなもん流行ってんのか。目に入れるとか……なんか恐ろしいわ。それに赤とはまた悪趣味だな」


「赤カッコイイじゃん!反骨精神的な!」


「………」




……赤といえば最近巷で例の死神が復活したとか言ってたような。


ここからは遠いが、コートクラウンの死神が────






























「私ねえ、死のうと思ってたんだあ」


「………」





と。


不意に、嬢ちゃんがカウンターテーブルに突っ伏してそんなことを言い出した。




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