僕は、本当に彼女が好きだった。だけど、僕が彼女を好きになる度に、彼はいつも何かをなくしていった…。十年にも及ぶ兄弟と彼女達の恋を描いた長編小説。

 大学四年、高校教師を目指していた22歳の僕は半年以上休学し、事故によって子供の心に戻ってしまった5歳上の兄貴の面倒を見ている。

 僕達を救う光なんてない、側にいてくれた「彼女」はもうどこにもいないのだから…。


 僕が彼女を愛する度に、彼は何かを失くしていく…。


 十年にも及ぶ兄弟と彼女達の恋を描いた井関和美のヒューマンストーリー『僕シリーズ』第一作。


(完結小説)