月の女神に魅せられて SS 【完】






短く上がる息



脳裏に浮かぶのはさっきまで俺に抱きついていたあいつの情欲滾る瞳。


体から消えないあいつの滑らかで柔らかい肌の感触。


そして耳に焼き付いて離れない


『好き……カズキさ……』


上ずった声で繰り返し呟かれる言葉。


欲しくて欲しくて、よっぽどこのまま……なんてことを考えたけど、俺を思い留まらせたのは未だかつてないほど積極的なあいつの態度で。


惚れた女に求められて我慢なんてできるわきゃねぇけど、ちょっと下ネタを吹き込んだくらいで真っ赤になるあいつが乱れる様は、やっぱり『正常じゃない』という意識を俺に働かせた。



だけど俺も所詮10代男子。



真冬の空気で冷やされたシャワーを全身に浴びてるっつーのに、全然静まらない体の熱をもてあまして



「……っ……くっ」



シャワールームに吐き出した欲の塊を凍えるシャワーが流していく。

0
  • しおりをはさむ
  • 3832
  • 3898
/ 279ページ
このページを編集する