月の女神に魅せられて SS 【完】

Our First Love? /measure 2. 疑惑の女




土日も付き合いだなんだと望月会長に連れ回されることの多い一輝。


土曜を一緒に過ごして迎えた予定のない日曜日。


梨佳も予定があるらしく、することのない私は洋服でも買おうかと街に繰り出した。


最近No.14に行くときはサキほどギャルじゃなく、美咲ほどお嬢様でもない。


それはいちいち着替えるのが面倒だからで、ママにはこんな感じが一輝の好みだからって説明したら案外すんなり納得してた。


お気に入りの路面店やデパートに入ってるお店を見て回って、お決まりのルートで踏み込んだデパート高層階の書店。


別に何かを買おうと思った訳でもないけど、何となく本を見て回っていると、ふと目に留まったのは、一昨日私を散々悩ませた雑誌で



一輝と一緒に居れば不思議なくらい気にならない悩み事も


一人になった途端にぶり返したりして……



平積みにされている発売されたばかりの雑誌を手に取り、じっと表紙を見つめる。


一輝を信じていない訳じゃない。


けれど抗いきれない欲求に


『好きなモデルさんのインタビュー記事が載ってるからだもん』


と誰にともなく心の中で言い訳をして、居るはずのない梨佳に見つからないかキョロキョロしながら結局その雑誌を買った。




家に帰って、買った洋服をショップバッグのまま放り出し


誰が見てる訳でもないのにモデルさんのインタビューを読んで、律儀に一ページ一ページ捲っていく。


ただこのファッション雑誌が欲しがっただけ。


何度目ともなく自分にそう言い聞かせるけれど、焦れる手がページを繰る速度を速めていく。

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