月の女神に魅せられて SS 【完】

Our First Love? /measure 4. 冷たい眼差し





――――……



「……一輝?」


夕食の後、まだ時間もあるし、今日はママもいるから一輝の部屋に遅くまでいることはできそうにない。


だから私の部屋で栄さんの入れてくれた紅茶とお手製のクッキーを……と思ったわけだけど。


紅茶とクッキーの乗ったトレーを机において振り向けば、ドアを後ろ手に閉めた一輝のやけに鋭い眼差しが私を射抜いた。


……なんか……怒ってる……?


「どうしたの?」


何となく分かるような分からないようなその原因を探るべく、そこに立ち尽くす一輝に近付けば


「わっ!」


無言のままで突然強く掴まれた手首を強引に引かれて、投げ出されたベッドの上。


「ちょっと、何す――ッンン!」


荒っぽい仕打ちに上げようとした抗議の声はぶつかるようなキスに遮られた。


良いから開けと言わんばかりに舌先が強引に入り込もうとする。


私の手を頭上で一括りにし、片手で易々とベッドに抑え付けた一輝の自由な右手が、フレアスカートから露出した脚を躊躇うことなく這い上がってくる。


――何ッ!?


突然の出来事に頭を左右に振って唇から逃れようとすると


「うぜぇ」


いつもより格段に低い一輝の声が落ちてきて、脚を這い上がっていた手が、着ていたカットソーを容赦なく捲り上げる。

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