素直なカラダで堕ちる恋【完】

解放@腕の中


―――――……



「どうした?」


沈黙が落ちる車内。


会話が無いのはいつものことなのに、いつもより格段に気まずくて口を開くことができずに俯いていれば、運転席からの視線と共に落ちてきた声。


それに「なんでもありません」と苦笑いで首を振った。


どこへ向かっているのか、そういえば聞いていなかったと思いつつ、車は首都高に乗り上げて南に向かっているようだった。


次々に移り変わる景色をぼんやり見つめながら、考えるのはさっきの出来事で。


颯爽と現れて元彼を撃退……なんてカッコイイ件のはずなのに


なんだってあの卑猥な表現に終始してしまうんだ……この人は……


別に今さら健くんにどう思われても構わないけれど、なんというか、一女子としてあの庇われ方は若干へこむって言うのと……



やっぱり渉さんにとって私の魅力はカラダだけなのかも……と思わざるを得ない発言に、どうしても気分は上がっていかない。



思えば……社長と私は世間一般に言う「相性」は良くないんじゃないだろうか?



0
  • しおりをはさむ
  • 707
  • 3957
/ 154ページ
このページを編集する