素直なカラダで堕ちる恋【完】

お泊り@社長宅

結局、意地悪い笑顔の影に雇用というライフラインをチラつかせられ、権力に屈した……という体で、私は社長の申し出を受け入れた。



……権力に屈しただけだし……


……別に好きとかないし……




私とシたいだけで、社長だって別に本当に私が好きなわけじゃあない。


その証拠にあの夜だって『じゃあ今日も帰るな』なんて言い出す始末だった。


やっぱり全然分かっていない社長に、「付き合って初日にそんなことはしないんじゃないか?」と一般論を切々と説いて、なんとか家まで送り届けてもらうことができた。


……まぁ、車から降りる間際、腰砕けのキスをいただいたけれども。


だからやっぱり、あんなに軽い『好きだ』信用ならない。


体裁上カレカノだけど、実態が伴うはずがない。


忙しい社長の事だからどうせ彼女と言ったって、気紛れに呼び出されて食事に付き合わされたりするだけで、所謂『付き合ってる』みたいな行動はないだろう。


もしかしたら食事なんてものもなく、ストレートにホテルの部屋に呼びつけられたりするかもしれない。


……それならもはやそういう商売のところにお電話をお願いしたいところだ。


一回体を許しておいて何だけど、やっぱり互いに思いあってこその行為な訳だから、私への気持ちが本当かどうかも分からない人とはしたくないし、拒否し続けていればいずれ社長も諦めるだろう


私も……社長が飽きるまで間違っても本気になっちゃいけない。


自分の生活を守るために一緒にいるだけなんだから……


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