私立東田高校物語④ 【全完結】 番外編③アップしました。

ヒカ東京に引越す /潤の想い



***


「おはよー」



ノックもせずに華ちゃんが俺の楽屋に入って、

小上がりになった畳の上に座った。




「はっ、華さんおはようございますっ!」



俺よりも先に嬉しそうに目を細めて大森さんが
華ちゃんに挨拶を返す。




「おはよう」




もう夜だっていうのに、華ちゃんとの挨拶はいつしか芸能界のモノと変わった。




どんな時間に会っても、一言目はおはようで。





それは毎日のように教室で交わしていた一言目で。




“おはよう”と華ちゃんに言うたびに、あの時の毎日が楽しかった日々が、1日が始まるのが嬉しすぎて目覚まし時計よりも早く目が覚めていた日々が鮮明に蘇ってきて、嬉しいような寂しいような気持ちがこみ上げてくる。






華ちゃんが持参した紙袋にゴソゴソと手を突っ込んで

漫画を一冊取り出したのを横目で確認すると

俺も台本に視線を落とした。

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