お別れを前提にお付き合いしてください。【完結】

床に転がった私の上から、影が消えた。

乱暴に歩く足音に、ビクッと肩が跳ねる。


次に、玄関のドアがバタンと強く閉まる音が聞こえて、姿を見なくても彼が部屋から出ていったことを知る。


胸元を服で隠して、ギュッと手で握りしめる。

浅羽くんは、本気だったわけじゃない。

だけど、本気で怒らせた。


浅羽くんの気持ちって、何?


私、バカだ。


彼の優しさに、甘えすぎていた。

今日が楽しすぎて、勘違いをしてしまった。

全部、自分のわがままばっかりで……。


手首に、赤く痕が残っている。


怖かった。

それより、もっと。
……ドキドキした。


熱が引かない。

その時、とっくに日付は変わっていた。

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