お別れを前提にお付き合いしてください。【完結】

金曜日*これが恋じゃなくても。



ほとんど眠れなくて、朝起きたら、浅羽くんはいなかった。


リビングのテーブルの上には、夜には無かった朝食がラップをかけて置いてあったから、あの後一度帰ってきたのだろう。

母の遺影のそばには、湯気が消えかけたお茶。


きっと、怒っているのに。

嫌われたはずなのに。

それでも、優しい人。


私なんか、もっと突き放してくれていいのに。

胸が痛くなる。


泣いたせいで、まぶたが腫れたのだろうか。

視界がせまい。


「おはよう、ママ……」


力なく、母にあいさつをする。


「もう、ここにはいられないよね……」

0
  • しおりをはさむ
  • 94
  • 111
/ 387ページ
このページを編集する