お別れを前提にお付き合いしてください。【完結】

エピローグ




あれから月日が経って、寒い冬がやってきた。

父も病院を退院して、今は定期的に通院という形をとっている。

結局、あの時のことを何度聞いても「ただの過労」としか答えてくれないけれど、本人がそう言うなら私は信じるしかない。

入院中よりもずいぶん元気が戻っていて、安心している。


私たち親子は、元の家の隣町のアパートで暮らし始めた。


「父さん、行ってきます。今日は病院の日ですよね?気をつけて行ってきてください」

「ああ、お前も車には気をつけろ」

「はい」


私はマフラーを巻きながら、玄関のドアを開けた。

身に付けているのは、公立高校の制服。


父には何度も元のお嬢さま学校に戻らなくていいのかと説得されたけれど、そのたびに首を横に振った。

学費で負担をかけたくない……なんていうのは建前で、本当は……。

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