お別れを前提にお付き合いしてください。【完結】

朝の満員電車にはまだ慣れていないけど、思ったより苦にはならない。

ぎゅうぎゅうに人に押され、電車を降りればそこは見慣れた街。


学校への最寄り駅の構内を出てすぐ、私はキョロキョロと辺りを見回した。

すぐに学校へ向かわない理由。それは。


「悠乃、こっち」


背中から私を呼ぶ声が聞こえて、すぐに振り返る。


改札口の近くの壁に寄りかかっていた浅羽くんが、手招きをしていた。


「おはようございます!」

「おはよ」


笑顔で駆け寄っていくと、手袋をした手で頭をぽんぽんと二回撫でてくれた。


私が今のアパートに引越しをしてから、この駅が私たちの待ち合わせ場所。

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