あなただけを愛したい【完】

Chapter6 /心の花

航がシャワーを浴びて、あがってきたら、今度はあたしが浴びる……


これで良かったんじゃないの?


なのに、どうして心がこんなに寂しいんだろう……


布団から顔を出して、体を起こして……


その辺に散らばっているあたしの服を手に取る。



「……」



これでいいの?


今日は一晩一緒なのに、“何もしない”って言われたんだよ?


ほんとに、これでいいの?


ベッドに腰掛けたまま、あたしの手に握られた服を見つめる。


やっぱり……














いやだっ!









その服をまた床に放り投げ、駆け出すようにして部屋を出た。



「航!」



浴室からはもうシャワーの音が聞こえる。


あたしがこうやって声を張り上げたところで、この声が航に届くわけじゃない。

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