あなただけを愛したい【完】

でも……



「航っ!」



もう一度そう言いながら、脱衣場のドアを開けた。


さっきよりもシャワーの音が大きくなる。


浴室のすりガラスに近づいて、それに手を添えながら



「航」



今度は呟くように、その名を呼んだ。


ほんとに呟くように出した声だったのに……


シャワーの音が止まった。


えっ、声が届いた?



「……柑那?」


「……」



その場で……


下着を脱ぎ捨てて……


目の前のドアに手を掛けた。



ガチャッ…



「柑那!?」



航が目を見開いてこっちを見た。


凄く恥ずかしいけれど……


でも……


航のその胸に、飛び込んだ。


素肌と素肌が触れ合ってどきどきする。



「柑那?……どうした?」

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