あなただけを愛したい【完】

慌てて周りを見渡していると……



「これ?」



目の前にはあたしの眼鏡。



「あっ!ありがとう!」



受け取ろうとしたら、ひょいっとかわされた。



「……」



これって、どういうこと?



「土原、だよな?」


「うん」



男の子は、結構近い距離に立っていたからか、顔は見えた。



「長谷川くん?」


「ん」



同じクラスの、長谷川くんだ。


引退するまでは、サッカー部のキャプテンをやっていた。


いつもサッカー部を眺めていたから、それくらいはわかる。



「驚いた」


「え」


「土原って、すっげぇ可愛いんだな」


「は?」



何言ってんの?


外見だけ見られるのは勘弁だよ。



「眼鏡返して?」


「……」



無言のまま手渡された。



「ありがとう。……じゃあね」



そう言って、眼鏡をかけながらその場を去った。

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