twilight house 3【完】

3章 /ラビット現る










―――そしてやってきた週末。




並木道の葉は紅葉に―――は残念ながら色づいていなく、緑色の葉が爽やかに揺れている。



若い男女のカップル、子連れのファミリー、女子高生たちなど、まさにたくさんの老若男女がその並木道を行き交う。




みんな同じ方向に歩いていて、私たちも流れるようにその人波に乗った。


そんな中、





「ちょっと。キョロキョロしないでよ、恥ずかしい」






隣で歩く絶世の美少女―――間違った、美少年の幸くんが、キョロキョロと辺りを見回す私の腕を軽く引いた。




その大きなぱっちりお目目は、鬱陶しそうに私を見つめている。







「ご、ごめんごめん。凄い人だなって」


「そりゃそうでしょ。集明の文化祭は人気だもん」





そう言いながら、幸くんがちらり。横ではしゃぐ女子高生たちを一瞥する。






「そ、そうなんだ。知らなかった」







まだ学校近くの並木道だというのに、凄い人の流れだ。本当に人気らしい。


幸くんは物知りだなあ。





ぼけーっと辺りを見回す私とは反対に、幸くんは酷く落ち着いた様子で並木道を歩く。







「(まさか幸くんと一緒に行くことになるとは)」








―――この前アズに誘われた集明の文化祭に、今日はやって来たのだけど。



まさか幸くんまで来てくれると思わなかったから、今でもちょっと驚いている。









0
  • しおりをはさむ
  • 657
  • 303
/ 383ページ
このページを編集する