twilight house 3【完】









この匂いは、




「クレープだ」





甘いホイップクリームの匂い。



足を止めてクレープの屋台を見つめれば、極くんも足を止めてくれた。ああ悪いね。







「食べますか?」


「うん、食べたい!」







クレープ食べるのなんて久しぶり―――あ、うそ。1回アズに無理やり口に突っ込まれたことがあった。




あの時は確か、土手のキッチンカーで買って―――うわ最悪な記憶を呼び覚ましてしまった。何だハナキンマンって。

消去消去。







「華さん?」


「あ、ご、ごめん。私買ってくるから、極くんは先に裏庭に行ってて!」


「え?で、でも」






極くんを振り返る。






「クレープ屋さん結構混んでるし、極くんお腹空いてるでしょ?先に行って食べてて」






たこ焼きは熱いうちに食べなきゃ美味しくないもんね。



私がそう言えば、極くんはちょっとだけ不服そうな顔をしたけれど、







「わ、分かりました。裏庭は、真っ直ぐ右に行けばすぐなので・・・・・・そこで待ってますね」


「分かった〜」







じゃあ、と。

律儀にお辞儀をしていく極くんと別れて、クレープ屋さんの列に並ぶ。






何にしようかな〜。


やっぱり定番のチョコバナナ?イチゴ系もいいよな〜。

あ、でも蜂蜜キャラメルっていうのも美味しそう。






うーん。どうしようかなー。




メニュー表を見ながら悩んでいれば、






―――《集明祭実行委員会からのお知らせです》






校内アナウンスが流れた。

ハキハキとした、男の人の声。








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